エッセイ

日々アキラさんの身の回りで起こるエピソードからマツケンサンバ驚太姑誅辰砲い燭襪泙如音楽にまつわるエッセイのあれこれ。このサイトでみなさまに読んでいただくために、書き綴ったものです。


アキラさんの妄想?ひとりごと?
思いのままを書き綴ったショートエッセイです。
こちらも、このサイト上で公開するために書き綴ったものです。


雑誌や公演プログラムなどに既に掲載されたエッセイを集めました。


公演案内や御礼などのご挨拶文、日記など。上記カテゴリに入らなかったものたちです。


 

第一回 「ショーが動きだした日」
ヒットパレード取材、と称して、鈴木聡・渡辺ミキ両氏と対談。春らしく黄色いシャツをクリーニングのビニールから出して着る。終了後、制作の奈緒子さんとスケジュール確認。顔を見合わせる。5月、半分はコンサートなどで埋まっている。6月、ほぼ3分の2が埋まっている。ヒットパレードのお稽古にはほとんど顔も出せない。冷や汗がツーッとほほを伝う。4月17日、一曲もまだ生まれていない。

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舞台音楽家をやっていると大変気になることがある、それは日々のくらしの中で耳にする、言葉のイントネーションである。単純に方言や流行ではおさまらない、特に外来語のイントネーションには思うところがある。

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「マハリーク マハーリタ ヤンバラヤンヤンヤン・・・」これで分かる方は私と同世代。カラーアニメーション創成期の傑作「魔法使いサリー」のテーマ曲である。ムダのないキャラクター設定、ただの優等生ではない主人公サリーちゃんのユーモア。ヨシコちゃんとスミレちゃんの「長屋」対「白亜の殿堂」が学校で交わるところにもイヤミがなく、愉快さが残る。少女マンガと分かってはいたが、最終回では泣いてしまった。いくら絵が古く汚くなっていても、たまには再放送して欲しい。

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かの映画スター、ジェニファー・ロペスが、かつて日本のオリジナルミュージカルに出演していたのを御存知だろうか。9999/10000 の確立で御存知なかろう。あとの 1/10000 の人間はおそらく「大阪花博ミュージカル・シンクロニシティ」の関係者であろう。実際彼女はその和製ミュージカルにアンサンブルの一人として出演していた。無名時代の彼女のキャリアのひとつである。稽古期間、上演期間、あわせて二ヶ月ほど東京と大阪に滞在していたハズである。

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東北新幹線が出来てもう何年目だろう。10年ほど前に那須高原に行っていた時期があり、ちょくちょく利用していた。先日旅公演で仙台に行った際、久々に乗ることになった。乗ってすぐ上野に向かう車中、私は耳を疑った。
「今だにあの曲を使っている!」

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大阪フィル・ポップス・コンサートを手掛けるようになってかれこれ12年。このコンサートは春と秋の年二回行われ、リピート客も多い。
編曲と指揮を受け持つ私の責任は重い。が、そこは大阪、ブレーンやスタッフのノリもよく、面白いアイデアだとオーケストラの団員達も乗って来るからやり易い。

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そうなんです、遭難(?)したんです。
りゅーとぴあ公演を終え、イタリア軒に戻り、朝六時に「ご心配なく、飛行機は飛びます」との報告。

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厚い防音ドアーの向こうから、ポロリポロリ静粛なピアノの音がこぼれて来る。思わずドアーの内側をのぞいて見る。壁一面に貼られた鏡、部屋をぐるっと囲む木製のバー、入り口付近にはマツヤニを盛ったトレイとトゥシューズを拭くためのぞうきんが一枚。無味無臭の創作空間、それがバレエの稽古場だ。

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音楽を楽しんだことがあるお人なら、それがどんなに楽しいことかご存知だろう。

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マツケンサンバ2の誕生

1994年9月、大阪新歌舞伎座公演「松平健・唄う絵草紙」の作曲依頼。(宝塚関係者からの紹介ではなく、演出家H先生からのご紹介)
早速有楽町でショーの音楽打ち合わせ。 オープニングはオリジナル曲、歌詞をいただく。そこから群舞、連舞、長唄、俗曲などおりまぜて、約一時間のショーを構成する。

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長い人生の中で、出来事はそれぞれ、何かの為にやって来る。今それが起きたという事は、必ず何かの為に起きたのだ。その時その意味が分からなくても、人は後からそれを知る。

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喪主は27〜8才の若き作曲家、妻はバイオリニスト。亡くした我が子を見送るために、ささやかな葬式が営まれた。
ささやかとは言い様で、その実2LDKのマンションには入りきらぬほどの弔問客が訪れた。さぞやご近所迷惑であったろう。しかし喪主の胸中には、生後2ヶ月の赤ん坊の最後を一人でも多くの人に見てもらいたいという願い以外は何も存在し得なかった。牧師さんの力のこもった説教と讃美歌のあと、居合わせた皆で童謡の「ぞうさん」を合唱した。

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「こころざしをはたして、いつの日にか帰らん」
このフレーズを胸に、遠く異国の地に散った何万何十万という兵士たち・・・

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「はい、宮川彬良の付き人の浜中です」
電話の応対には必ずそう答える青年がいる。付き人になり約一年、自分から「付き人です」と、元気よく答えられるのはちゃんとプライドをおもちだからなんでしょうね・・・と、世界的歌手のキム・ヨンジャさんにお褒めいただいた。NHK大阪制作の歌番組の公開録画を無事終了してのことである。

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トラックのテールランプ、白が灯れば「バックします・・・・バックします・・・・」
オレンジランプだと「ひだりへ・・まがります・・・・ひだりへ・・まがります・・・・」
あの女の人はどこに乗っているんだろう・・・江戸時代の町人ならきっとそう思うに違いない。

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テレビには気をつけていただきたい。
あなたは今、テレビを見ている。NHKの歌番組、公開生放送の真っ最中である。しかし、あなたの眼の前で起こっていることが、中継現場で起こっていることのすべてではない。たとえそれが生放送の映像であっても、現場のナマはもっとナマナマしい。テレビの画面には決して映らぬ、最高に大掛かりでユニークな映像に、私は仕事柄よく出くわす。

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ロンドンの風は冷たい。それに乗じて人々の生活の空気も、クールでマイペースな感触である。たとえば地図を片手にした東洋の青年が路頭に迷っていても、あちらから声を掛けてくると言うことは、まずない。

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トランペット、トロンボーンがそれぞれ3人ずつ、チューバが1人、ホルンが2人、木管楽器が6人で、その内二人はサックスと持ち替え。ガラス張りのブースの中にはドラムセット、上手の隅にはピアノ、エレキギター、ベース各一名、下手にはティンパニーやらシロホンの、巨大なパーカッション群。スタジオに入りきらない14人の弦楽器とハープ奏者は、のちほど入れ替わりでダビングされる。

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劇団四季のれっきとしたファンであった。高校生のころである。知人に連れられて「コーラスライン」と「ウエストサイド・ストーリー」を観に行った。コーラスラインは初演で、当時アメリカでも幕を開けたばかりだった。ウエストサイドの方は再演で、どちらもオーケストラはテープによる上演だった。

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映画、アニメーション、近年C.G.との合体化が目立つ。映画なら限りなく実写に近く、アニメーションにおいてはメカニックやゴージャスさを極めるために。確かにC.G.だけだと人間味、生命感に乏しく、ある部分だけに用いて合体させるというのは一案だ。しかし私にはどうしても弊害の方が気になるのだ。

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ふと何かを思いつく瞬間、自分の耳元で誰かがそっと囁いている、と感じることがある。私の周りには、たくさんの先人たちがおり、彼らの知恵を借り、自分は思いつくのだと。ある人に言わせれば、それは天の声、また別の言い方をすれば、内なる声。どちらも同じなのではないだろうか。

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「聖者の行進」・・・誰でも知っているデキシーの代表曲、これが黒人奴隷を葬るための曲であったということも、広く知れ渡っている。あんなに陽気で軽快、かつ騒々しい曲が葬送の曲?・・・と、誰もがそう思うだろう。だが 「この世にいたときゃ何にも楽しいことなんてなかった、だからあの世じゃ楽しく暮らすんだ・・・」という歌詞の意味を知れば、当時のアメリカ社会の凄まじき状況や、この曲の裏にある深い悲しみが理解できよう。

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エジプトで見える月と、日本で見える月がどれだけ違うか確かめるために、思い立って旅をした。30代の初めだった。残念ながらというべきか、思ったとおりというべきか、ギザのホテルから見えるお月様は、とても日本的で、ススキの穂やウサギの似合う、いつもどおりのお月様であった。しかしこの一人旅は、他にいくつもの発見と教訓を私にもたらした。

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芸大(東京藝術大学)作曲科の入学試験はピアノ無しで行われる。いちど、音楽家とは縁遠い方々に、その風景をご覧いただきたい。その景色を観ても、とても今そこにいる100人近い若者が、大学特有の斜めの机に向かって、「作曲をしている」とは夢にも思うまい。窓の外には上野の森のカラスが、隣の校舎の屋根をツンツンと飛び跳ねて鳴いている。

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サン=サーンス作曲の「動物の謝肉祭」という組曲の中に、「ピアニスト」という表題の曲がある。14の小品で構成されたこの組曲の中のひとつである。

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18世紀に進化を遂げた「ソナタ形式」。その進化の最終形は「ある愛の変遷」である。

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音楽、芸術に付き物の「想像力」・・・「想像は、させて何ボ」「聞き手あっての想像力」
時として妄想力と区別がつかなくなる想像力、この正しい使われ方に注目したい。

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結婚してまもなく、妻のある一言に百年の恋も覚めやらんショックを受けた。「明日からオケ合わせなの・・・あたしメンコン弾くの・・・」オケはオーケストラ、そしてメンコンとは・・・メンデルスゾーンのコンチェルトのことである。

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音楽における「キイ」という言葉をご存知だろうか。「キイが高いので、半音下げて下さい・・」とかいう時に使われる。すなわちキイとは、その楽曲の調性・・・である。
そう長年思い続けてきた。たまに素人さんが「キイ」を自分の声域のことと勘違いし、「ぼくはキイが高いほうです」とか「自分のキイに合わない」などとノタモウているのをほほえましくも無知と思っていた。キイとはその曲にシャープやフラットがいくつ付くか、すなわち「楽曲」の高さを示すことばで、奏者の都合を示すものではない・・・

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1998年FIFAワールドカップフランス大会、表彰式のハイライトで使われた曲を覚えている方はいらっしゃるだろうか・・・。優勝国であり開催国であったフランスの曲ではなかったので、意外に思われた方も多かったかもしれない。ぼくもその一人で、その曲が花火とともにスタジアムに鳴り響いた時「なんでフランスでスター・ウォーズなんだ?」とその陳腐さに式典スタッフのセンスを疑った。

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